新・竹取物語 〜かぐや姫と包茎の帝〜
原文冒頭:今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて、竹を取りつゝ、萬づの事に使ひけり。名をば讃岐造麿となむいひける。その竹の中に、本光る竹一筋ありけり。怪しがりて寄りて見るに、筒の中光りたり。それを見れば、三寸ばかりなる人、いと美しうて居たり。
現代語訳:昔、竹を取って色々な事に使って生計を立てていた竹取の翁という者がいた。名前を讃岐造麿といった。ある日翁がいつものように竹林へ竹を取りに行くと、その中の一本に光輝く竹があった。不審に思って近寄り、切ってみると、竹のなかから三寸ほどのとても可愛らしいメイド服を着た女の子が出てきた。
↓続き↓
少女を養うことにした翁夫婦はその娘を大変可愛がり、少女はすくすくと育って行った。わずか3ヶ月ばかりでオトナのおもちゃを使いこなせる程の年頃の娘にまで成長した少女は、見る者すべてが思わず目を奪われる程美しく育った。その美貌はこの世のものとは思えない神秘的な美しさで、どこか儚げな、憂いを含んだ微笑みがますます周囲の者たちを魅了した。「なよ竹のかぐや姫」と名づけられたこの美しき姫の噂は下層の者のみならず宮廷の公家・貴族にまで広まり、連日その姫の美しさを一目見ようとたくさんの男たちが押し掛けた。その中でも特に情熱的だったのが、当時、仮性包茎の好色一代男と謳われる大納言大伴御行、中納言石上麻呂、右大臣阿倍御主人、車持皇子、石作皇子の5人だった。彼らは昼夜問わず通い続け、その熱心ぶりはコスプレアイドルの追っかけや、メイド喫茶のメイド服のマニアにも勝るとも劣らないストーキングっぷりだったと云う。
その熱い求婚に負け、翁はかぐや姫に5人の中の内の一人と結婚させることにした。かぐや姫は最初は拒否していたが、仕方なく条件付きでその申し出を飲んだ。その条件とは、大納言大伴御行には龍の首の珠という大人のオモチャを、中納言石上麻呂には燕の子安貝を、右大臣阿倍御主人には火鼠の裘のコスプレ衣装を、庫持皇子には蓬莱の玉の枝を、石作皇子には仏の御石の鉢をそれぞれ献上できた者と結婚するというものだった。どれも伝説上の至宝と言われているものばかりで、入手困難どころか実在するのかどうかも怪しい代物だった。
案の定、その宝珠は日本中のコスプレ通販の店を探しても見つからず、道中で嵐に遭い辿り着けなかったり、仕舞には偽物やレプリカを職人に作らせ結局ばれるという有様。結局誰一人として成功せず、そんな様がとうとう帝(天皇)の耳にまで入り、帝まで姫に興味を持ち抱いた。かぐや姫はそれでも拒絶反応を示すが、意表を突いて訪問してきた帝にその姿を見られてしまう。帝までもがかぐや姫の虜になってしまうのはもうお約束。
「わたくし包茎の殿方は嫌いですの」
と、普通の一般人なら島送りどころか打ち首獄門になってもおかしくない暴言を吐きつつその妖艶な美貌によってますます帝を夢中にさせた。帝は実はM男(えむお)だったのだ。
「もっと朕をいじめてください女王様」
「ウザい男だね!この包茎!私の足の指をお舐め!」
「ああぁ〜快感」
すっかり帝をも絶対服従のえむ男に仕立て上げ、
「お前には私が直接会うまでもない!私が書いた文でも眺めて大人の玩具で処理するのがお似合いだよ!アーハッハッハッ!!」
と、大人の玩具や和歌の交換をするのみの女王様と下僕という主従関係に留めておいた。
そんなこんなで3年の月日が経った頃、かぐや姫はしばしば天に浮かぶ月を見て物思いに耽るようになっていた。次第にさぞや悲しげに号泣するようになり、そんな痛々しい姿は周りの人間の心までも大いに痛めた。なぜそんなに泣いているのか翁が問い正すと、実はかぐや姫はこの国の人間ではなく月の都の住人で、もうじき姫を連れ戻すための包茎の遣いがやって来るという。それを聞き慌てた翁は帝の協力を得、勇ましい軍勢の攻防を以てかぐや姫が月へ帰ってしまうのを阻止しようとした。しかし所詮は月の天人と唯の人間、もはや次元が違っていた。
「やっちないなぁ!」
血気盛んなかぐや姫の鬨の声も空しく、空から降りてきた包茎手術の神の手を持つ天上人の大人のオモチャの攻撃に成す術もなく、何の抵抗も出来ぬまま結局かぐや姫は月へと連れ戻されることになった。
「この不良娘!放蕩者!プチ家でもほどほどにしろ!」
「うせーなこの馬鹿親父・・」
バシッ!!!
「ぶったわね・・親にもぶたれたことないのに・・!」
かぐや姫は反抗期を迎えたただの家出娘だったのだ。
「ちっ、この役たたずが・・。いい加減、包茎手術しろっつーの」
かぐや姫は人間たちや帝の真性包茎をさかうらみし、腹いせに、不老不死になれるといういかにも怪しい人魚の肉と、天の羽衣という刺繍が入った特攻服、帝への包茎治療を勧める文贈り、しぶしぶ月へと帰って行った。
しかし帝は「かぐやの居らぬこの世で不老不死の身体になってももはや何の意味も持たぬ」と、それらの至宝を駿河国(現在の静岡県)で日本一高い山で焼くように勅命の詔を出した。それからというもの、その山からは煙が上がるのが絶えず、日本の山岳信仰の頂点に立つ霊峰「不死の山」として崇拝されるようになり、後に富士山と呼ばれるようになった。
『竹取物語』とは、日本最古の物語として有名で、平仮名によって書かれ、平安時代に成立したものと思われる。『万葉集』『今昔物語』などにも関連説話があり、作者は不詳だが、作者はカントン包茎だったという説が有力である。